ビジネスと人権
意味・解説
企業がサプライチェーン全体で、強制労働や差別などの人権侵害を防止・対処する責任。
国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく考え方。企業活動において、自社だけでなく取引先(サプライチェーン)も含めた人権への負の影響を特定し、防止・是正する「人権デューデリジェンス」の実施が求められる。ESG経営やSDGsの観点からも極めて重要視されている。
くわしく
企業が利益追求だけでなく、個人の尊厳を守る社会的責任を果たすべきという概念である。
1.人権デューデリジェンス:自社の活動が、現地の労働者や周辺住民の人権を侵害していないかを調査し、是正する継続的なプロセス。例えば、安価な部品が児童労働によって作られていないかを厳密にチェックすることなどが含まれる。
2.対象となる人権:強制労働や児童労働の禁止、不当な差別の撤廃、結社の自由、安全で健康的な労働環境の確保、さらにはデジタル分野におけるプライバシーの保護やアルゴリズムの偏り(バイアス)による差別の防止も含まれる。
3.投資家・消費者の視点:人権配慮が不十分な企業は「人権リスク」が高いと見なされ、不買運動や投資引き揚げ(ダイベストメント)の対象となる可能性がある。
なぜ重要か:グローバル経済において、企業の影響力が一国の政府を凌駕する場合もあり、サプライチェーンの末端まで人権を保障することが国際的な義務となっているためである。
例文
アパレルメーカーであるA社は、ビジネスと人権の観点から海外の縫製工場に対して定期的な監査を行い、不当な長時間労働がないかを確認した。
分類: サステナビリティ経営