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非公式・用語解説

AI新法(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)

Act on the Promotion of Research and Development and Utilization of AI-Related Technologies/エーアイしんぽう
第4章 4-62025.10 追加

名前に「新法」とあるので規制法だと思われがちですが、条文を開くと出てくるのは推進の枠組みです。ここでは成立から施行までを一次情報で確認しながら整理します。

本サイトはGUGA(生成AI活用普及協会)とは関係のない非公式の学習コンテンツです。試験の最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。用語名の一覧は公式シラバスの章立てに沿っていますが、見出し・解説はすべて当サイトが独自に書いたものです。

意味・解説

AI新法の正式名称は「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(令和7年法律第53号)です。日本で初めてAIを正面から扱った法律で、名称のとおり研究開発と活用の「推進」を目的としています。禁止行為を並べて取り締まる型の法律ではありません。

試験対策としては、まず正式名称と略称の対応を押さえるのが確実です。シラバスの該当節にはこの2つが並んでおり、同じものを指しています。

くわしく — 成立から施行まで(一次情報で確認)

国会の議案情報と内閣府の公表資料で確認できる経過は次のとおりです。

国会提出2025年(令和7年)2月28日
衆議院 可決2025年(令和7年)4月24日
参議院 可決・成立2025年(令和7年)5月28日
公布2025年(令和7年)6月4日/令和7年法律第53号
施行一部は公布日から施行。人工知能戦略本部の設置などを含む全面施行は2025年(令和7年)9月1日

出典: 参議院「第217回国会 議案情報」および内閣府「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(2026年8月6日 閲覧)。

条文の構成

全4章28条。第1章 総則(第1〜10条)、第2章 基本的施策(第11〜17条)、第3章 人工知能基本計画(第18条)、第4章 人工知能戦略本部(第19〜28条)という並びです。

第1条の目的規定は、AI関連技術が経済社会の発展の基盤であることを踏まえ、基本理念を定め、基本計画の策定と戦略本部の設置について定めることで、国民生活の向上と国民経済の健全な発展に寄与する、という趣旨で書かれています。基本理念(第3条)には、基礎研究から活用までを総合的に進めること、国際競争力の向上、透明性の確保と適正な実施を通じて国民の権利利益を守ること、国際協調のもとで進めることなどが並びます。

国・地方公共団体・研究開発機関・事業者・国民それぞれの役割も定められています。

戦略本部と基本計画

内閣に人工知能戦略本部が置かれ、本部長は内閣総理大臣が務めます(第19条以下)。政府は人工知能基本計画を定めることとされ(第18条)、実際に2025年12月23日に初めて閣議決定され、2026年7月14日にも閣議決定されています(2026年8月時点)。法律が枠を作り、中身は基本計画で動く構造です。

罰則について

ここは断定に注意が必要な箇所です。2026年8月に内閣府の掲載資料と法律本文(e-Gov法令検索)を確認した範囲では、この法律に罰則を定めた章や条文は見当たりませんでした。

ただし、これは「AIの使い方が自由になった」という意味ではまったくありません。AIの利用が個人情報保護法、著作権法、不正競争防止法などに触れれば、そちらの規定がこれまでどおり適用されます。AI新法に罰則がないことと、AIをめぐる法的リスクがないことは別の話です。

EUのAI法との性格の違い

比較対象としてよく挙がるのがEUの規則です。Regulation (EU) 2024/1689(2024年6月13日)は、AIシステムをリスクの程度で分類し、許容できないリスクにあたる行為を禁止したうえで、高リスクの用途には事前の義務を課す設計です。執行当局と制裁の枠組みも備え、適用は段階的に広がります(2026年8月時点。最新の適用時期は一次情報でご確認ください)。

これに対して日本のAI新法は、禁止行為の列挙や事前の適合性評価といった仕組みを持ちません。同じ「AIの法律」でも、規制型と推進型で設計思想が異なる——ここが押さえどころです。優劣の話ではなく、そもそも狙いが違う法律だと理解するのが正確です。

具体例

  • 企業が生成AIを導入するとき: この法律が直接「これを使うな」と指示するわけではありません。実務で効いてくるのは基本計画や各種ガイドライン、そして既存の法律です。
  • 国の側の動き: 基本計画に沿って、研究開発への投資、データや計算資源の整備、人材育成などが進められます。

よくある誤解

  • 「AI新法=AI規制法」——違います。正式名称に「推進に関する法律」とあるとおりの法律です。
  • 「EUと同じような規制が日本にも入った」——入っていません。リスク分類による禁止・義務づけという枠組みは、この法律にはありません。
  • 「罰則がないから、AIは何に使ってもよい」——違います。個人情報、著作権、営業秘密などをめぐる既存の法律はそのまま適用されます。
  • 「AI新法ができたので個人情報保護法は関係なくなった」——関係します。4-3・4-4 で扱う法律と、この法律は置き換え関係にありません。
  • 「成立した年=施行された年」——成立は2025年5月28日、公布は6月4日、全面施行は9月1日です。混同しやすいので表で覚えるのが安全です。

試験での位置づけ

AI新法は、GUGAシラバス第4版(2026年2・4・6・8・10月試験向け/改訂日 2025年10月1日) の第4章「情報リテラシー・基本理念とAI社会原則」4-6「AI新法」に置かれています。この節の語は略称と正式名称の2つだけで、節がまるごとこの法律に充てられている形です。

第4章は 4-1 から 4-5 まで積み上がり、最後の 4-6 に法制度が置かれる構成です。「原則を語ったあとに、日本の実定法を示す」という並びだと読めます。

この節と2語は、2025年10月1日改訂で追加されたものです。法律の成立が2025年5月28日、公布が6月4日ですから、改訂はその直後の反映にあたります。新設の節である以上、旧版の教材には載っていません。

問われやすいのは、正式名称と略称の対応、推進法であるという性格、そして成立・公布・施行の時期の区別でしょう。条番号よりも「何のための法律か」を1文で言えることを優先するのが実戦的です。

例文

AI新法は研究開発と活用の推進を目的とする法律であり、罰則を伴う規制ではないため、生成AIの業務利用にあたっては個人情報保護法や著作権法など既存の法令への適合を別途確認する必要がある。

関連用語

リンク先は、当サイトのITパスポート用語辞書の既存ページか、この学習ノート内の解説ページだけです。解説を用意していない語にはリンクを張っていません。

出典

本ページの記述は、以下の一次情報を2026年8月6日に確認したうえで、当サイトが独自に書き起こしたものです。GUGAの公式シラバスから借りているのは用語名と章立ての事実のみで、学習項目名や説明文を転記したものではありません。

  1. 参議院「第217回国会 議案情報:人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律案」: https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/217/meisai/m217080217029.htm(2026年8月6日 閲覧)。提出日、衆議院可決日、参議院での可決・成立日、公布日、法律番号の出典です。
  2. 内閣府 科学技術・イノベーション「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(AI法)」: https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_act/ai_act.html(2026年8月6日 閲覧)。公布日・施行日(一部施行と2025年9月1日の全面施行)の出典です。
  3. 内閣府「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律の概要」(PDF): https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_hou_gaiyou.pdf(2026年8月6日 閲覧)。
  4. e-Gov法令検索「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(令和七年法律第五十三号)」: https://laws.e-gov.go.jp/law/507AC0000000053(2026年8月6日 閲覧)。章立て(全4章28条)、目的規定、戦略本部の設置、および罰則規定が置かれていないことの確認に使用しました。
  5. 内閣府「人工知能基本計画」: https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_plan/ai_plan.html(2026年8月6日 閲覧)。令和7年12月23日および令和8年7月14日の閣議決定の出典です。
  6. EUR-Lex「Regulation (EU) 2024/1689」: https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2024/1689/oj(2026年8月6日 閲覧)/欧州委員会「Regulatory framework for AI」: https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/policies/regulatory-framework-ai(2026年8月6日 閲覧)。リスクに応じた分類、禁止される行為の存在、段階的な適用の出典です。
  7. GUGA「生成AIパスポート試験 概要」: https://guga.or.jp/outline/(2026年8月6日 閲覧)。

製品・仕様に関する記述はいずれも2026年8月時点のものです。生成AIをめぐる状況は変化が速いため、受験前には必ず最新の情報をご確認ください。

このページについて

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