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非公式・用語解説

AIエージェント

AI Agent/エーアイエージェント
第3章 3-42025.10 追加

「自律的に動くAI」と言われてもピンと来ないのは、動き方の中身が語られないからです。ここでは、チャットボットやRAGと何が違うのかを、処理の流れに落として説明します。

本サイトはGUGA(生成AI活用普及協会)とは関係のない非公式の学習コンテンツです。試験の最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。用語名の一覧は公式シラバスの章立てに沿っていますが、見出し・解説はすべて当サイトが独自に書いたものです。

意味・解説

AIエージェントとは、目標を受け取り、そのために使うツールと手順を自分で決め、実行した結果を見てから次の一手を選ぶ——という繰り返しで仕事を進めるAIシステムです。1回のやり取りで完結せず、終了条件を満たすまでループを回すところが本質です。

キーワードは「自律」ですが、この言葉だけを覚えても試験にも実務にも役立ちません。大事なのは、次に何をするかを、実行結果を見たあとでモデル自身が決めているという一点です。あらかじめ人間が書いた分岐をなぞるだけなら、それは自動化であってエージェントではありません。

くわしく — 従来のチャットボット/RAGとの違い

3つを並べると、違いは「経路を誰がいつ決めるか」に集約されます。

1. 従来のチャットボット

入力が1回、出力が1回。モデルが内部に持っている知識だけで答えます。答えの正しさはモデル任せで、外の世界には触れません。

2. RAG(検索拡張生成)

質問が来たら関連文書を検索し、その抜粋を添えてから生成します。外の情報を使う点でチャットボットより一歩進んでいますが、「検索 → 生成」という順路は人間が書いたコードで固定されています。検索結果が空振りでも、別の探し方を試したりはしません。

3. AIエージェント

ここでループが登場します。典型的な1周は次のように進みます。

  1. 目標を受け取る。「先月の請求書を集めて部門別に集計し、CSVにして」のように、手順ではなくゴールが渡されます。
  2. 使えるツールを確認して計画する。ファイル検索、社内API、コード実行、Webアクセスなど、いま自分に何ができるかを踏まえ、最初の一手を決めます。
  3. 行動する。決めたツールを、決めた引数で1回呼びます。
  4. 結果を観察する。返ってきた値、エラー、件数を読みます。ここが「環境からの手応え」で、次の判断材料になります。
  5. 評価して計画し直す。足りなければ別の条件で引き直し、失敗すれば直して再実行し、十分なら次の工程へ進みます。
  6. 終了条件を満たしたら報告する。ゴール達成、上限回数到達、人間の承認待ち——いずれかで止まります。

2〜5がぐるぐる回ることに注目してください。何周するか、どのツールを何回使うかは、走らせてみるまで決まりません。Anthropicの技術記事は、あらかじめ決めた経路をたどるものを「ワークフロー」、モデル自身が進め方とツールの使い方を制御するものを「エージェント」と呼び分けています(2024年12月19日公開・2026年8月時点)。

実装上は、この自由度をどう抑えるかが設計の中心になります。ループの上限回数、1回のツール呼び出しに与える権限、削除や送信といった不可逆な操作の前に人間の承認を挟むか、全操作のログをどう残すか。自律とは「放置してよい」ではなく「境界を設計する必要がある」ということです。

具体例

  • 出張の手配: 「来週水曜に大阪へ日帰り、予算2万円」→ カレンダーを見て空き時間を把握 → 時刻を指定して経路を検索 → 候補が予算を超えていたので時間帯をずらして再検索 → 予約直前の画面をまとめて人間に確認を求める。予算超過に気づいて条件を変えたところが、ループの効いた部分です。
  • コードの修正: テストを実行 → 失敗したログを読む → 原因らしいファイルを直す → もう一度テストを実行。通るまで繰り返し、通らなければ別の仮説に切り替えます。
  • 調べもの: 検索 → 出てきた情報の出典が弱いと判断 → 語を変えて検索し直す → 複数の情報源を突き合わせてから要約する。

いずれも、途中で「思ったのと違う」が起きたときに軌道修正できるかが分かれ目です。

よくある誤解

  • 「自律的だから人間の管理は要らない」——逆です。外の世界に働きかける以上、権限の設計、承認の関門、監査ログといった管理項目はむしろ増えます。
  • 「賢いLLMを用意すればエージェントになる」——なりません。ツールをつなぐ仕組みと、結果を観測して次を決めるループの実装があって初めて成立します。この「つなぐ仕組み」の共通規格がMCPです。
  • 「RAGの発展形がエージェント」——切り口が違います。RAGは知識をどう持ち込むかの話、エージェントは行動をどう決めるかの話です。RAGを道具のひとつとして使うエージェントはよくあります。
  • 「エージェント=複数のAIが分担するもの」——単体でも成立します。役割を分けた複数構成は選択肢のひとつにすぎません。
  • 「エージェントにすればハルシネーションが消える」——消えません。むしろ、誤った判断がメール送信・購入・ファイル削除といった実際の操作に化けるぶん、影響は大きくなります。

試験での位置づけ

AIエージェントは、GUGAシラバス第4版(2026年2・4・6・8・10月試験向け/改訂日 2025年10月1日) の第3章「現在の生成AI(ジェネレーティブAI)の動向」3-4「AIエージェント」に置かれた用語です。この節には、具体的なサービス名(GenSpark・Manus・Skywork AI)と、ツール接続の標準である MCP が同居しています。つまり出題側は、概念だけでなく「何を使って、どうつながるのか」までを1セットとして扱っています。

そしてこの語は2025年10月1日改訂で新しく追加されました。旧版のシラバスには節ごと存在しません。改訂で追加された24語のうちの1つで、3-4 は節そのものが新設に近い扱いです。過去問や旧教材だけで対策していると丸ごと抜け落ちる領域なので、優先度は高めに見ておくのが安全です。

学習の順番としては、第2章でLLMの仕組みを、3-3でRAGを押さえてから3-4に入ると、「モデル → 知識の持ち込み → 行動」と積み上がって理解しやすくなります。

例文

経費精算の一次チェックにAIエージェントを導入したが、承認と支払いの操作だけは人間が行う設計とし、エージェントには証憑の突き合わせと差戻し理由の下書きまでを任せることにした。

関連用語

リンク先は、当サイトのITパスポート用語辞書の既存ページか、この学習ノート内の解説ページだけです。解説を用意していない語にはリンクを張っていません。

出典

本ページの記述は、以下の一次情報を2026年8月6日に確認したうえで、当サイトが独自に書き起こしたものです。GUGAの公式シラバスから借りているのは用語名と章立ての事実のみで、学習項目名や説明文を転記したものではありません。

  1. Anthropic「Building effective agents」(2024年12月19日公開): https://www.anthropic.com/engineering/building-effective-agents(2026年8月6日 閲覧)。ワークフローとエージェントの区別、および「環境からの手応えを得ながらツールを使う」という記述を参照しました。
  2. Model Context Protocol 公式ドキュメント(アーキテクチャ): https://modelcontextprotocol.io/docs/2026-07-28/learn/architecture(2026年8月6日 閲覧)。ツール一覧の取得と実行という流れを参照しました。
  3. GUGA「生成AIパスポート試験 概要」: https://guga.or.jp/outline/(2026年8月6日 閲覧)。章立て・出題範囲の適用時期の確認に使用。

製品・仕様に関する記述はいずれも2026年8月時点のものです。生成AIをめぐる状況は変化が速いため、受験前には必ず最新の情報をご確認ください。

このページについて

本サイトは、生成AIパスポート試験を実施する一般社団法人 生成AI活用普及協会(GUGA)とは関係のない、非公式の学習コンテンツです。GUGAの監修・認定・提携を受けたものではありません。試験の最新情報は必ず公式サイトでご確認くださいGUGA公式「生成AIパスポート試験 概要」生成AI活用普及協会(GUGA)