← 生成AIパスポート 用語索引

非公式・用語解説

MCP(Model Context Protocol)

Model Context Protocol/エムシーピー
第3章 3-42025.10 追加

AIエージェントが外の世界に手を伸ばすには、ツールやデータ源への「差し込み口」が要ります。その口の形を業界共通で決めようというのがMCPです。

本サイトはGUGA(生成AI活用普及協会)とは関係のない非公式の学習コンテンツです。試験の最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。用語名の一覧は公式シラバスの章立てに沿っていますが、見出し・解説はすべて当サイトが独自に書いたものです。

意味・解説

MCP(Model Context Protocol)は、AIアプリケーションと、外部のツールやデータ源とをつなぐための共通の手順を定めたオープン標準です。Anthropicが2024年11月25日に公開しました。公式サイトはこれを「AIアプリケーションにとってのUSB-C端子のようなもの」とたとえています。

MCPそのものは、学習も推論もしません。やり取りの形式だけを決めた取り決めです。何をどう使うかを判断するのはあくまでモデルとアプリケーションの側で、MCPは「どう聞き、どう返すか」の共通語を提供します。

くわしく — なぜ標準が要るのか(N×M問題)

AIアプリがN種類、つなぎたい業務システムがM種類あるとします。標準がなければ、組み合わせのぶんだけ専用の接続を書くことになり、必要な実装は最悪N×M本です。アプリが1つ増えるたびにM本、サービスが1つ増えるたびにN本。この掛け算が、AIと社内システムの接続がなかなか進まない理由でした。Anthropicの公開時の発表も、データ源ごとに個別実装が要ることが規模の壁になっている、という問題意識から書かれています。

共通の口をひとつ決めれば、アプリ側はその口に対応するだけ(N本)、サービス側もその口を生やすだけ(M本)で済み、必要な実装はN+Mに落ちます。一度サーバを書けば、対応するどのAIアプリからでも使える——これが標準化の実利です。発想としては、あらゆるエディタとあらゆる言語処理系をつないだ Language Server Protocol の考え方を、AIアプリの文脈に持ち込んだものだと公式仕様に説明があります。

登場人物は3つ

  • ホスト: AIアプリ本体。ユーザーが触るチャット画面やエディタがこれにあたります。
  • クライアント: ホストが接続先ごとに1つずつ用意する窓口。サーバとの接続を維持します。
  • サーバ: データやツールを提供するプログラム。手元のPCで動く場合も、社外のサービス上で動く場合もあります。

ホスト1つに対してサーバは何個でもつなげます。ホストはサーバの数だけクライアントを作る、という関係です。

サーバが公開する3種類のもの

  • Tools(ツール): 呼び出すと何かを実行する関数。ファイル操作、API呼び出し、データベース照会など。
  • Resources(リソース): 読み取って文脈に使うデータ。ファイルの中身やレコードなど。
  • Prompts(プロンプト): 使い回せる定型のひな形。

クライアントはまず一覧を取得し(tools/list など)、それから実行を依頼します(tools/call)。一覧は動的に変わりうるので、変更を知らせる通知の仕組みも用意されています。通信の土台は JSON-RPC 2.0 で、経路は手元のプロセス間をつなぐ stdio と、ネットワーク越しの Streamable HTTP の2種類です。2026年8月時点で公開されている仕様のリビジョンは 2026-07-28 です。

運営面では、2025年12月9日にAnthropicがMCPをLinux Foundation傘下に新設された Agentic AI Foundation へ寄贈し、特定企業に依存しない形で維持される体制になりました(2026年8月時点)。

具体例

  • 手元のファイルを読ませる: ファイルシステム用のサーバをつなぐと、チャット画面のまま「このフォルダのCSVを読んで月次で集計して」と頼めるようになります。
  • 社内システムにつなぐ: 課題管理やデータベースにサーバを立てておけば、同じAIアプリからそのまま参照・操作できます。
  • 一度書いて使い回す: 自社サービス用のサーバを1つ用意すれば、MCPに対応した別のAIアプリからも同じように使えます。アプリごとの作り直しが不要になります。

よくある誤解

  • 「MCPはAIモデルの一種」——違います。モデルでもサービスでもなく、つなぎ方の取り決めです。
  • 「MCPを入れれば安全になる」——なりません。ツールの実行は、実質的に任意のコードを走らせることに近い行為です。公式仕様も、データ提供やツール実行の前にユーザーの明示的な同意を取ること、信頼できないサーバのツール説明を鵜呑みにしないことを、実装側の責務として挙げています。
  • 「Anthropic製品でしか使えない」——オープン標準として公開されており、他社のAIアシスタントや開発ツールにも対応が広がっています。運営自体も2025年12月に中立の団体へ移りました。
  • 「既存のAPIが不要になる」——なりません。多くのMCPサーバは、既存のAPIをAIアプリから扱いやすい形に包み直す薄い層です。
  • 「サーバというからにはクラウド上にある」——限りません。手元のPCで起動してプロセス間通信でつながるローカルのサーバも一般的です。

試験での位置づけ

MCPは、GUGAシラバス第4版(2026年2・4・6・8・10月試験向け/改訂日 2025年10月1日) の第3章 3-4「AIエージェント」に置かれています。独立した節ではなく、AIエージェントと同じ節に並んでいる点が重要です。出題側は、MCPを通信技術としてではなく「エージェントが外の世界に手を伸ばすための手段」として位置づけている、と読めます。

この語も2025年10月1日改訂で追加されたものです。改訂で入った24語のうちの1つで、それ以前のシラバスには登場しません。仕様の細部(メソッド名やバージョン番号)まで問われる可能性は高くないと考えられますが、「誰が何のために作った、何をつなぐ標準なのか」は答えられるようにしておきたいところです。3-4 の他の語と合わせて、節ごとまとめて押さえるのが効率的です。

例文

社内の在庫データベースにMCPサーバを立てたことで、部署ごとに別々のAIツールを使っていても、同じ手順で在庫照会ができるようになった。

関連用語

リンク先は、当サイトのITパスポート用語辞書の既存ページか、この学習ノート内の解説ページだけです。解説を用意していない語にはリンクを張っていません。

出典

本ページの記述は、以下の一次情報を2026年8月6日に確認したうえで、当サイトが独自に書き起こしたものです。GUGAの公式シラバスから借りているのは用語名と章立ての事実のみで、学習項目名や説明文を転記したものではありません。

  1. Anthropic「Introducing the Model Context Protocol」(2024年11月25日公開): https://www.anthropic.com/news/model-context-protocol(2026年8月6日 閲覧)。公開日、オープン標準としての位置づけ、データ源ごとの個別実装が壁になるという問題意識を参照しました。
  2. Model Context Protocol 公式サイト: https://modelcontextprotocol.io/(2026年8月6日 閲覧)。「AIアプリにとってのUSB-C端子」というたとえ、対応クライアント/サーバの広がりを参照しました。
  3. MCP 仕様(アーキテクチャ解説): https://modelcontextprotocol.io/docs/2026-07-28/learn/architecture(2026年8月6日 閲覧)。ホスト/クライアント/サーバの定義、Tools・Resources・Prompts、JSON-RPC 2.0、stdio と Streamable HTTP を参照しました。
  4. MCP 仕様トップ(最新リビジョン): https://modelcontextprotocol.io/specification/latest(2026年8月6日 閲覧)。リビジョン 2026-07-28、Language Server Protocol からの着想、セキュリティ上の原則を参照しました。
  5. Anthropic「Donating the Model Context Protocol and establishing the Agentic AI Foundation」(2025年12月9日公開): https://www.anthropic.com/news/donating-the-model-context-protocol-and-establishing-of-the-agentic-ai-foundation(2026年8月6日 閲覧)/MCP公式ブログ「MCP joins the Agentic AI Foundation」(2025年12月9日): https://blog.modelcontextprotocol.io/posts/2025-12-09-mcp-joins-agentic-ai-foundation/(2026年8月6日 閲覧)。
  6. GUGA「生成AIパスポート試験 概要」: https://guga.or.jp/outline/(2026年8月6日 閲覧)。

製品・仕様に関する記述はいずれも2026年8月時点のものです。生成AIをめぐる状況は変化が速いため、受験前には必ず最新の情報をご確認ください。

このページについて

本サイトは、生成AIパスポート試験を実施する一般社団法人 生成AI活用普及協会(GUGA)とは関係のない、非公式の学習コンテンツです。GUGAの監修・認定・提携を受けたものではありません。試験の最新情報は必ず公式サイトでご確認くださいGUGA公式「生成AIパスポート試験 概要」生成AI活用普及協会(GUGA)