放棄オプション(段階的撤退)
意味・解説
IT投資等のプロジェクトにおいて、将来の状況が悪化した場合に、途中で事業を中止・売却することで、さらなる損失の拡大を防ぐ権利(選択肢)。
リアルオプションの代表的な一つ。投資を「一度始めたら終わりまでやる」ものと考えず、段階的に評価し、ダメなら「捨てる(放棄する)」権利をあらかじめ価値として認める考え方。
くわしく
「IT投資という『ギャンブル』の途中で、『これ以上は勝てない』と分かった瞬間に、チップ(資金)を引き上げて席を立つ『損切りの権利』」です。
1.目的:
投資の「下振れリスク」を限定します。
2.投資判断:
二項樹モデル等を用いて、この『最悪の時に逃げ出せる』という選択肢が、プロジェクト全体の価値(NPV)をどれほど高めているかを計算します。ポイントは、ITプロジェクトは不確実性が高く、泥沼化(サンクコスト化)しやすいため、あえて『やめる基準』を決めておくことが、経営全体のレジリエンスを高めるからです。
例文
新規のSaaS事業の立ち上げにおいて放棄オプションを設定し、サービス開始から1年で会員数が目標の30%に届かない場合は即座に撤退する方針を固めた。
同義語: 撤退オプション / 中止の選択権
分類: 不確実性下の投資マネジメント