撤退基準の事前合意(リスクの回避戦略)
意味・解説
IT投資プロジェクトを開始する前に、失敗時の損失を最小限に抑えるため、「どのような状況になったら中止(撤退)するか」という具体的な数値や条件をあらかじめ決めておくこと。
リスクマネジメントの「回避」を実効的に行う手法。サンクコストへの執着による「泥沼化」を、客観的な基準で防止する。放棄オプションを行使するためのトリガーとなる。
くわしく
「IT投資という『山登り』を始める前に、『天候がこうなったら、どれだけ頂上に近くても下山する』と仲間全員で約束しておく安全ルール」です。
1.目的:
プロジェクトが始まった後に生じる「ここまで頑張ったからもったいない」という感情(心理的偏見)を排除し、冷徹に「リスクの回避」を実行します。
2.具体例:
「半年経ってもユーザー数が目標の10%に届かない場合」や「追加コストが当初予算の50%を超えた場合」など、言い逃れのできない数値で定めます。ポイントは、ITプロジェクトは不確実性が高く、やめ時を見失うことが企業にとって最大の財務リスクになるからです。
例文
新規モバイルアプリ開発において、リリース後3ヶ月で継続率が20%を下回ることを撤退基準として事前合意し、無謀な追加投資を抑制する体制を整えた。
同義語: ストップロス基準 / 撤退のトリガー
分類: IT投資のリスクガバナンス