桁落ち
意味・解説
値の非常に近い2つの数の引き算により、有効数字が大きく減ってしまう現象。
浮動小数点演算において、絶対値が非常に近い2つの数値の差を求めた際、計算結果の有効数字(正確な桁数)が著しく減少して生じる計算誤差。計算結果の先頭の桁が0になり、相対的な誤差が拡大する。数値計算プログラムの設計時に最も注意すべき誤差の一つである。
くわしく
計算機が数値を有限の桁数で扱うために発生する、精度の低下現象である。
1.発生の仕組み:例えば、1.2345678と1.2345677という8桁の有効数字を持つ数同士を引き算すると、結果は0.0000001となる。このとき、残った有効数字は「1」の1桁だけになり、本来の精度が失われる。
2.重要性:科学技術計算やシミュレーションにおいて、桁落ちが累積すると最終的な計算結果が全く信頼できない数値になる。二次方程式の解の公式などで、平方根同士の引き算が発生する場合などに顕著に現れる。
3.実務での対策:数式を変形して引き算を避ける(分子の有理化など)、あるいは演算精度を単精度から倍精度に上げることで影響を最小限に抑える工夫が行われる。
例文
物理演算エンジンにおいて、酷似した座標の差分計算を繰り返したため、桁落ちによる表示の乱れが生じた。
同義語: 桁落ち誤差
分類: 計算誤差